2005年 01月 26日
節分と恵方巻 |
早いもので、来週は節分である。節分は、本来は季節の分かれ目の意味で、「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」のそれぞれの前日を指していたという。現在のように、立春の前日だけを指すようになったのは、冬から春になる時期を1年の境とし、大晦日と同じように考えられていたためだという。そのため、前年の邪気を全て祓ってしまうため、様々な「追儺(ついな)」の行事が行われてきた。その代表が「豆まき」である。
最近、追儺の行事に異変が起こりつつあるようである。それは、「恵方巻」の全国的普及である。1月末ともなると、各コンビニで「恵方巻」予約受付開始の垂幕を目にすることが多くなってきた。
恵方巻とは恵方寿司ともいい、簡単にいえば太巻寿司のことである。直径約5cm、長さ20cm弱の堂々たる太巻である。七福神にちなんで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶなど七種類の具を入れた豪華版もあり、福を食べる、福を巻き込むという意味があるという。
もともとは関西、特に大阪限定の風習である。節分の夜、その年の恵方(えほう)*を向いて恵方巻を丸かじりすると、次の年に幸福が訪れると言い伝えられている。恵方巻を食べるときは、何も喋ってはいけない、お茶、汁など水気のあるものを一緒に飲んではいけない、包丁で切らずに長いまま丸かじりする、細巻や中巻では御利益がないから必ず太巻で、などの様々なしきたりがある。
この恵方巻の起源は、江戸時代末期に大阪船場の商人が商売繁盛を願ってはじめた、大正初期頃に大阪の花街に節分の時期にお新香を巻いた海苔巻を恵方に向かって食べる風習があり、それに習って戦前に心斎橋のすし屋が閑散期の客寄せに始めた、1948年頃に海苔の、あるいは巻き寿司の消費拡大を目指して現在の恵方巻の風習が作り出された、など、諸説あるが、はっきりしないという。
現在主流になっている説は、1977年、大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で「巻寿司早食競争」イベントを開き、マスコミの注目を集め、それを見た食品メーカーが便乗して全国へ広まっていった、というものである。要するに、海苔の販売促進のため、根拠に乏しい古くからの言い伝えを利用した、というところらしい。なにやら、バレンタインデーとチョコレート業界の関係に似ている。
海苔産業情報センターの"海苔ジャーナルエキスプレス"内の"節分の海苔巻き"には、なかなか興味深い事実が記されている。
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『昭和48年の大阪海苔問屋協同組合のチラシには、「節分に-幸運の巻きずし丸かぶり 恵方 南南東」とあり、「節分の夜、恵方に向かって無言で家族そろって巻きずしを丸かぶり(丸ごと食べる)すると必ず幸福が回ってくる-と昔からいい伝えられています」と書いてある。』
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少なくとも、1973年頃には、この風習が確立しており、海苔業者の宣伝に使われていたことが分かる。上記サイトには、大阪道頓堀の「巻寿司早食競争」についても詳しく記されている。関西地区女子大学対抗の「海苔巻早食競争」は名物競技のひとつになっており云々と書かれており、なかなか楽しそうである。おじさん、一度見てみたいと思うよ。我が母校系列の女子大学は健闘しているんだろうか。
ところで、恵方巻が現在のように全国的なものになったのは、どうやらコンビニの仕掛けによるものらしい。ネットで「恵方巻」を検索すると、上位でヒットするのはコンビニのページばかりである。上の写真を撮ったのは「サークルK」であるが、サークルKといえば名古屋発祥のコンビニであり、関西とはあまり関係ないはずである。まわりのコンビニが扱い始めたら、扱わないわけにはいかないのだろう。
コンビニの中で、特に恵方巻に熱心なのは、「セブンイレブン」である。1989年に広島市の一部地域で恵方巻を販売開始、1997年には関西以西で、1998年には全国で販売開始、昨年には約250万本を売り上げたとのことである。どうやら、コンビニの中でもセブンイレブンが恵方巻・全国展開仕掛け人の張本人のようである。
セブンイレブンの恵方巻には愛知以西、愛知以東、新潟の3バリエーションがあり、具もそれぞれに若干違っている。なぜ新潟だけ特別扱いなのかは不明である。新潟用恵方巻には「くるみ、ひじき」が入っているが、新潟では、これらが入っていないと巻寿司として認知されないのだろうか。
おじさんの家の節分は、女房が京都出身のため、一応京都式らしいのだが、実際はよく分からない。玄関には、ヒイラギの葉とイワシの頭を飾る。イワシは当然ナマである。見開いたままの眼が不気味な上、頭だけ切られ、じわりと出血している。これは相当ヤバそうである。鬼も近づかないはずだ。しばらくは匂いが強く、猫たちが激しく反応したものである。
豆まきは、まず自分の数え年分の豆を半紙に取り、包む。半紙で豆を包んだものを2組作り、片方は神棚に上げ、片方は身体の悪い部分をこすった後、後述の方式で捨てる。残った豆で「鬼は外!福は内!」をやる。「鬼は外」で窓などから外に豆をまき、窓を閉めてから「福は内」で豆を家の中にまく。家中の開口部はすべて対象となるから、風呂場や便所の高窓まで開けて「鬼は外!福は内!」とやる。おじさんは豆をまきながらポリポリかじるのが好きである。この後、2月3日の夜遅くに、先ほど身体をこすった半紙に包んだ豆を捨てに行く。捨てに行くのは家から一番近い四つ辻である。豆を捨てたら、決して振り向かないように注意して家に帰る。このとき、振り向くと、鬼に食われるのだそうだ。
数年前、恵方巻のことを知ったとき、女房に「うちは京都式なのに、なぜ食わないんだ?」と聞いたところ、「あれは大阪でやるもので、京都ではやらない」と言われた。ところが、義母は流行にいたって弱く、4~5年前から恵方巻を食べているという。ならば、おじさんの家でも今年からは恵方巻、食べてやろうじゃないか。海苔業者とコンビニ業者に乗せられるのは癪であるが、どんな味がするのか?という好奇心に負けてしまうのである。
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2005/02/03 追記
セブンイレブン純正の「恵方巻」を買ってきて食べてみた。
普通の太巻より少し短い。全長15cmくらいか。
女性でも食べきれるようにしてあるのだろう。
食べきれずに残したとかなったら、縁起が悪いからね。

なかなか美味いじゃないか、というのがおじさんの感想。
海苔が湿らないように、食べるときに巻くようになっている。おにぎり方式である。
穴子、玉子焼、かんぴょう、椎茸などが入っている。
しかし、1本380円というのは、少し暴利ではないかとも思う。
普通の太巻だったら半額くらいじゃないかねぇ。
最近、追儺の行事に異変が起こりつつあるようである。それは、「恵方巻」の全国的普及である。1月末ともなると、各コンビニで「恵方巻」予約受付開始の垂幕を目にすることが多くなってきた。恵方巻とは恵方寿司ともいい、簡単にいえば太巻寿司のことである。直径約5cm、長さ20cm弱の堂々たる太巻である。七福神にちなんで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶなど七種類の具を入れた豪華版もあり、福を食べる、福を巻き込むという意味があるという。
もともとは関西、特に大阪限定の風習である。節分の夜、その年の恵方(えほう)*を向いて恵方巻を丸かじりすると、次の年に幸福が訪れると言い伝えられている。恵方巻を食べるときは、何も喋ってはいけない、お茶、汁など水気のあるものを一緒に飲んではいけない、包丁で切らずに長いまま丸かじりする、細巻や中巻では御利益がないから必ず太巻で、などの様々なしきたりがある。
*恵方:陰陽道に基づいて決められる縁起の良い方角。毎年その方角は違う。2005年は西南西。
この恵方巻の起源は、江戸時代末期に大阪船場の商人が商売繁盛を願ってはじめた、大正初期頃に大阪の花街に節分の時期にお新香を巻いた海苔巻を恵方に向かって食べる風習があり、それに習って戦前に心斎橋のすし屋が閑散期の客寄せに始めた、1948年頃に海苔の、あるいは巻き寿司の消費拡大を目指して現在の恵方巻の風習が作り出された、など、諸説あるが、はっきりしないという。
現在主流になっている説は、1977年、大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で「巻寿司早食競争」イベントを開き、マスコミの注目を集め、それを見た食品メーカーが便乗して全国へ広まっていった、というものである。要するに、海苔の販売促進のため、根拠に乏しい古くからの言い伝えを利用した、というところらしい。なにやら、バレンタインデーとチョコレート業界の関係に似ている。
海苔産業情報センターの"海苔ジャーナルエキスプレス"内の"節分の海苔巻き"には、なかなか興味深い事実が記されている。
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『昭和48年の大阪海苔問屋協同組合のチラシには、「節分に-幸運の巻きずし丸かぶり 恵方 南南東」とあり、「節分の夜、恵方に向かって無言で家族そろって巻きずしを丸かぶり(丸ごと食べる)すると必ず幸福が回ってくる-と昔からいい伝えられています」と書いてある。』
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少なくとも、1973年頃には、この風習が確立しており、海苔業者の宣伝に使われていたことが分かる。上記サイトには、大阪道頓堀の「巻寿司早食競争」についても詳しく記されている。関西地区女子大学対抗の「海苔巻早食競争」は名物競技のひとつになっており云々と書かれており、なかなか楽しそうである。おじさん、一度見てみたいと思うよ。我が母校系列の女子大学は健闘しているんだろうか。
ところで、恵方巻が現在のように全国的なものになったのは、どうやらコンビニの仕掛けによるものらしい。ネットで「恵方巻」を検索すると、上位でヒットするのはコンビニのページばかりである。上の写真を撮ったのは「サークルK」であるが、サークルKといえば名古屋発祥のコンビニであり、関西とはあまり関係ないはずである。まわりのコンビニが扱い始めたら、扱わないわけにはいかないのだろう。
コンビニの中で、特に恵方巻に熱心なのは、「セブンイレブン」である。1989年に広島市の一部地域で恵方巻を販売開始、1997年には関西以西で、1998年には全国で販売開始、昨年には約250万本を売り上げたとのことである。どうやら、コンビニの中でもセブンイレブンが恵方巻・全国展開仕掛け人の張本人のようである。
セブンイレブンの恵方巻には愛知以西、愛知以東、新潟の3バリエーションがあり、具もそれぞれに若干違っている。なぜ新潟だけ特別扱いなのかは不明である。新潟用恵方巻には「くるみ、ひじき」が入っているが、新潟では、これらが入っていないと巻寿司として認知されないのだろうか。
おじさんの家の節分は、女房が京都出身のため、一応京都式らしいのだが、実際はよく分からない。玄関には、ヒイラギの葉とイワシの頭を飾る。イワシは当然ナマである。見開いたままの眼が不気味な上、頭だけ切られ、じわりと出血している。これは相当ヤバそうである。鬼も近づかないはずだ。しばらくは匂いが強く、猫たちが激しく反応したものである。
豆まきは、まず自分の数え年分の豆を半紙に取り、包む。半紙で豆を包んだものを2組作り、片方は神棚に上げ、片方は身体の悪い部分をこすった後、後述の方式で捨てる。残った豆で「鬼は外!福は内!」をやる。「鬼は外」で窓などから外に豆をまき、窓を閉めてから「福は内」で豆を家の中にまく。家中の開口部はすべて対象となるから、風呂場や便所の高窓まで開けて「鬼は外!福は内!」とやる。おじさんは豆をまきながらポリポリかじるのが好きである。この後、2月3日の夜遅くに、先ほど身体をこすった半紙に包んだ豆を捨てに行く。捨てに行くのは家から一番近い四つ辻である。豆を捨てたら、決して振り向かないように注意して家に帰る。このとき、振り向くと、鬼に食われるのだそうだ。
数年前、恵方巻のことを知ったとき、女房に「うちは京都式なのに、なぜ食わないんだ?」と聞いたところ、「あれは大阪でやるもので、京都ではやらない」と言われた。ところが、義母は流行にいたって弱く、4~5年前から恵方巻を食べているという。ならば、おじさんの家でも今年からは恵方巻、食べてやろうじゃないか。海苔業者とコンビニ業者に乗せられるのは癪であるが、どんな味がするのか?という好奇心に負けてしまうのである。
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2005/02/03 追記
セブンイレブン純正の「恵方巻」を買ってきて食べてみた。
普通の太巻より少し短い。全長15cmくらいか。
女性でも食べきれるようにしてあるのだろう。
食べきれずに残したとかなったら、縁起が悪いからね。

なかなか美味いじゃないか、というのがおじさんの感想。
海苔が湿らないように、食べるときに巻くようになっている。おにぎり方式である。
穴子、玉子焼、かんぴょう、椎茸などが入っている。
しかし、1本380円というのは、少し暴利ではないかとも思う。
普通の太巻だったら半額くらいじゃないかねぇ。
by xylocopal | 2005-01-26 00:06 | Foods






